センターバック   ~sequel 2~

165cm・・・
いよいよ息子の身長が神の域に到達した
心掛け次第ではなれるということだ
ディエゴ・マラドーナに・・・

その後、膝痛(オスグッドではない)で1ヶ月、腿の肉離れで1ヶ月位、思うようにサッカーが出来ない期間があったけれど、オスグッドの部位が痛んだことは無かったようだ。
今年の体力測定の50m走も学年で一番速いタイムだったらしい。

サッカーの方はというと、3年生の人数が少ない事もあって、フォワードやサイドハーフで度々上の学年の試合にも出させてもらっていた。
ここまで練習試合では何度もゴールを決めていたけれど、大会やリーグ戦ではなかなか結果を出せずにいた。
あまり目立ちたがらない性格故、先輩達の中に入ると遠慮してしまい、思いきったプレーが出来ないようで、動きもとてもぎこちなく、覇気さえも感じられない。
見ていてもあまり楽しそうにやっているようには見えなかった。
総体のときも、サイドハーフで途中出場したのだが、緩慢な息子の動きが、顧問の逆鱗に触れたらしく、たった5分で懲罰交代させられてしまった。中学生にそういう采配もどんなもんかとも思うが、結局2日目はユニフォームも没収されて、ベンチに入ることすら許されなかった。
数日後のリーグ戦。この日も息子はサイドハーフで途中出場。入ってから10分も経っていなかっただろうか、次の選手交代でベンチに下がったのはふたたび息子だった。ベンチに戻ってうなだれる息子を見ていると、ちょっと切ない気持ちになってしまった。
“最近、試合観に来るのちょっと辛くなってきたね”と家内もつぶやいていた。

3年生の総体が終り、いよいよ息子達が主役の一年間が始まった。
そんな或る日、学校での練習の時、全員いつもと反対のポジションに入って紅白戦をする事になった。よくある対峙するほうの立場に立ってみるというやつですね。フォワードをやることが多かった息子は、センターバックにはいったそうだ。
その日部活から帰ってくるなり、“センターバックおもしれぇ、俺センターバックやる!”と息子。今までも突然どこどこがおもしろいだのと言う事もあったので、その日は“ふう~ん”ぐらいの返事をしておいたが、どうも息子は今日の練習でなにか“ビビビッ”ときたようであった。
翌日、息子はまたセンターバックの話をしてきたので、“今まで結果が出せなくて辛い思いしながらもフォワードやサイドハーフで頑張って来て、やっとこれから自分らの学年になって公式戦でもゴールを決められるようになるのに、何も今じゃなくても、点を取って見返してからでも遅くないんじゃないの?”という話をした。正直何処をやってもいいとは思っているのだが、後ろにさがってもゴールへの気持ちは持ち続けてほしかったので、簡単に“いいんじゃん”とは言わないでおいた。案の定、息子はちょっと不機嫌想な顔をした。もう気持ちは完全に固まっているようだ。2週間前には“やっぱフォワードおもしれぇ”って言ってたのに・・・たった1週間前の練習試合ではハットトリックまでしてたのに・・・

8月2日 市近郊大会
市内のチームと招待チームの計16チームで争われる大会。
2年生のチームになって初めての大会だ。
上の学年の人数が足りなかった事もあって、今まで純粋な2年生のチームというのは、ほとんど観た事がなかった。スタメンは誰なの?誰がどこのポジションなの?強いの?弱いの?いざ蓋を開けてみるまで、どんなチームなのかまったく分からない状態だった。
さあ、第一試合。
いよいよスタメンがそれぞれのポジションについた。
息子はセンターバックでの出場だった。
開始早々ポンポンと2点を先取。このブロック一番の難敵と思われたのだが、終わってみれば4-1の快勝。息子も危なげなくそのポジションを全うした。
第二試合。
息子はまた同じポジションでの出場。
この試合も2-0での勝利。あれ、もしかして強いの?相手が弱いの?いまいち解らないが、ただ、とてもいいサッカーをしているように見えた。皆が良く動き、良くボールを動かし、パスで相手を崩して、攻撃も偏らずにまとを絞らせず、良い飛び出しもあったり、正直ちょっとビックリした。スタート時点でこれだけ出来れば上等じゃないの。
本人達もなんだか今までと違い、とても楽しそうにやってる感じがした。
2試合目が終わった後の空き時間、やっとの昼食にありついていると、突然大音響でバンドの演奏が聴こえてきた。
♪あぁ~真夏~の~jamboree~♪
すぐそばの海浜公園で行われている夏フェスに出ている湘南乃風の唄が聴こえてきたのだ。子供らは思いもよらぬサプライズに、みんなでタオルぐるんぐるん状態だったらしい。
そのテンションもあってか、第三試合はスタメン全員入れ替えにもかかわらず、4-1での圧勝となった。
1位リーグ進出。
いままで1位リーグなんて一度もなかったので、なんとなくへんな感じ。
今日はなんだかビックリ箱でも開けたような、ちょっと驚きの一日だった。

大会2日目。
1位リーグ第1試合、準決勝。
今日は日曜日だし1位リーグ進出という事もあってか、昨日より多くの父兄が応援に駆けつけている。今この場にいるだけでももう充分にすごいことだけど、なんとかもうひとつ勝たせて、決勝まで行かせてあげたいね、と家内と話していた。
試合相手は小学校時代からほとんど勝った事が無かった相手だ。
試合開始。この日も息子はセンターバックでスタメン出場。
今日も出だしから昨日と同じように良い感じでボールをまわしている。開始早々すぐに先取点を取る。昨日観たサッカーは夢ではなかったようだ。更に1点を追加して前半を終える。う~ん、やっぱり強いの?
後半開始。だがここから風向きが一変する。反撃に出た相手の勢いに圧倒され、ほぼ押されっぱなしの展開になる。それまでの良いパス回しは影を潜め、押し込まれてはロングボールで跳ね返すの一辺倒になってしまった。まだそこまでの強さは持ち合わせていないようだ。相手が強くなれば思うように出来ないのは当たり前。そこはこれからの努力でどんな相手でも同じように出来るスキルを身につけていけばいい。
もしかしたらここへきて“決勝”だの“優勝”だの今まで見た事も聞いた事も無い言葉が頭に浮かんで、カチコチになってしまったのかもしれない。
結局相手の猛攻をなんとか1失点でしのぎ切り、見事2-1で勝利を収めた。
やった!決勝進出!嘘みたい!
昨日にも増しての、信じられない感、なんか居心地の悪い感が半端ない。
子供達も大喜びしている。
このチームはあまり強くなかった我が少年団と、やっぱりあまり強くなかった隣町の少年団の2チームが合体する形で出来ている。なのでこんな快挙は今まで誰も味わった事が無い。さすがに決勝戦で0-1で敗れた直後は悔しそうな顔をしていたが、記念撮影をする頃にはみんな喜びと達成感でとてもいい顔をしていた。
日中容赦なく照り付けていた陽も傾き、緑がとても映えるちょっと涼しくなったグランドで、闘いを終えて後片付けをしている子供達を待つあいだ、なんともいえない心地よい時間が私たちを包んでいた。


息子は結局大幅にスタメンを入れ替えた試合以外は、センターバックでフル出場であった。多分、フォワードやサイドハーフでの出場だったなら、息子の体力ではこの暑さの中でのフル出場は難しかっただろうと思う。“後ろが安定して、すごく安心できる”仲間からはそう言ってもらえているらしい。この2日間、試合中に笑顔を見せる息子の姿を何度も見た。今まで先輩達の中でプレーしている時にはそんなことは一度も無かったような気がする。たぶん楽しくは無かったのだと思う。重圧を感じながらプレーすることに、もう疲れちゃったのだと思う。
息子のサッカー人生も、もうあと一年。
残りの時間、楽しくサッカーをやりたいと思う気持ちが導き出した答えが
“センターバック” なのだと思う。
今まで息子にはたくさんのゴールシーンを見せてもらった。もう充分すぎるくらい。
これからはチームとして、みんなで喜ぶ姿をたくさん見せてほしいと思う。
それこそがチームスポーツの醍醐味だから。

どこのポジションだろうと応援してるから・・・ガンバレ!

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この記事へのコメント

キャプテンの母
2014年08月25日 19:30
はじめまして。
小6の息子がオスグッドと診断されて2ヶ月。なかなか回復しない状況の中、ネットで『オスグッド』というキーワードで検索しまくり…かなり疲れた状態の中、こちらにたどり着きました。
読ませて頂き、なんだか心のよりどころが出来たようで少し楽になりました。

明日、別の病院を受診してみる事にしました。既に数ヶ所目です。

また機会があれば、こちらに寄らせて下さい。
2014年08月26日 14:41
キャプテンの母 様

はじめまして。
コメントありがとうございました。
ニックネームを拝見しただけで、どれほどの思いをされているのか、分かるような気がいたします。
このような話を伺うと、私共も2年前のあのどうにもならない辛い気持ちが、まだまだ鮮明に蘇ってきます。
小学サッカーの集大成のはずの6年生の時に、オスグッドで思うようにサッカーが出来ないのは、ほんとうに辛いですよね。
何もお手伝い出来る事はないかもしれませんが、話を聞いて差し上げる事くらいなら出来ますので、いつでも気軽に声を掛けてください。
キャプテンの母
2014年08月26日 22:03
HERO DAD様
見ず知らずの私に、親身になってコメント頂き、ありがとうございます。

子供の置かれている状況や、子供の性格、親の気持ちなど、重なるところが沢山ありました。

ネット上では治療を受けてすぐ治った!という情報の多い事。…うちは何故治らないんだろうと思いました。
今日別の病院を受診したのは、こちらのブログを拝見したからです。
設備が充実し、スポーツ外来があるとの事でそこを選んだのですが、先生から言われた事は最初に受診した整形外科と同じでした…。最新のレントゲン画像を確認出来たことくらいが収穫でしょうか。

先日コーチと話をしました。
コーチは息子に、焦りはわかるが今は絶対に無理するな、今やっていることもいい経験、パフォーマンスはすぐには落ちないから安心しろ…と言ってくれました。

今息子は見学のさなか、コーチ補佐や審判、雑用などをしています。本人いわく、サッカーしたいのは勿論だけど今やっていることも楽しいそうです。 最近ちょっと笑顔が増えた気がします。いつまでそれが続くかはわかりませんが…
本人も当然焦りはあるのでしょうが、それ以上に焦っているのは親の私ですね。

チームメイトや保護者の方から復帰について聞かれる度に、今練習を休ませている事自体に気持ちが揺れるのですが、その時にはまたこちらのブログを拝見して冷静に判断したいと思います。
幸い理解あるチーム(コーチ)ですから…

すみません、すっかり長くなってしまいました。
読んで頂き、ありがとうございました。
親子で頑張ります。
2014年08月27日 14:09

キャプテンの母 様

コーチがとても理解のある方のようでなによりです。とてもいい言葉を掛けてくださっていますね。
同じ練習が出来無くても、ちゃんとチームに帯同している息子さんは、ほんとうに偉いと思います。うちの息子はすぐに行きたく無くなっちゃいましたから。
走れなくても工夫次第でボールを使って練習する事も可能だと思いますし、たくさんプロの試合を見て、もっと深くサッカーを研究するのもいいかと思います。頭の中の引出しを増やす事は、技術を磨く事と同じくらい後々武器になる大切な事だと思います。
それと繰り返しになりますが、とにかく柔軟体操や大腿四頭筋のストレッチは毎日欠かさずに、あとバランスディスクとかバランスドームとか呼ばれている道具を使って行うバランス(体幹)トレーニングもとても有効なようです。
今はとても辛い日々だと思いますが、また思いっきりサッカーが出来る日が必ず来るはずです。その時に大爆発する息子さんの姿を楽しみに、頑張って乗り越えてください!
2014年09月08日 23:07
お久しぶりです。
オスグットの方何もなくてよかったです!!あゆみも膝は何ともありません!ただ、シンスプリント、そして昨日内転筋を怪我してしまいました(´`:)下手したら肉離れ起こすって…。
あゆみはどこのポジションでもそれなりにはできますが、本職はDFです。元々はサイドバックですね。
DFはとても楽しいです。それに気づいてもらえて嬉しいです!!笑
2014年09月12日 21:53
あゆみ 様

内転筋の怪我、長引かないといいですね。
DF、息子も楽しそうにやっています。
最後列からゲームを組立てるのも、なかなか面白いようです。
まだあまり強い相手とやってないので、今は余裕かましてますけど、そのうちチンチンにされる日が来ると思いますので、その時にどんな反応をするのかちょっと楽しみです。
くれぐれも無理はなさらずに!
かおり
2015年06月21日 23:20
突然のコメントですみません。

「今まで息子にはたくさんのゴールシーンを見せてもらった。もう充分すぎるくらい。
これからはチームとして、みんなで喜ぶ姿をたくさん見せてほしいと思う。
それこそがチームスポーツの醍醐味だから。

どこのポジションだろうと応援してるから・・・ガンバレ!」

の文に涙が出てしまい、思わずコメントをさせて頂きました。
今年度から息子がFWからセンターバックになり、親の私の方が気持ちの切り替えができていませんでした。

目が覚めた。反省した。心打たれた。うまく言葉が見つかりませんが、涙が止まりません。

これから夏の大会に向けて親子共々頑張ります!ありがとうございました。
こちらに出会えてよかった。
2015年06月22日 10:27
かおり 様

コメント、ありがとうございました。
お気持ち、充分にわかります。
センターバックもやってみると案外見せ場がたくさんあるポジションだと思います。息子も“相手が弱い時はフォワード、強い時はセンターバックがおもしろい”と言っていました。なによりセンターバックが弱いチームは、絶対に勝てませんから。
いい夏の思い出を残せるように、お互いに応援、サポート頑張りましょう!

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