17歳の夏  ~Scene 15~

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17歳の夏休み、初めて彼女と旅行に行った。
行先は小さい頃に何度か行ってとても海が綺麗だった九十九里浜にした。
男の僕は平気だったけど、当然彼女は親が許可してくれるはずもないので、
友達に協力してもらって、親には内緒で行くことになった。
横浜からは電車とバスを乗り継いで、結構な時間がかかる。
きっとその距離こそが、後の思い出の深さになっているのだと思う。
海の近くのバス停で降り、むせかえるような夏の田舎道を少し歩くと宿に着いた。
宿帳には適当な年齢を書いておいた。
お昼を食べに入った食堂で、僕は財布を彼女に預けていたので、
そこから彼女に支払ってもらうと、店にいた部活の合宿で来ていた女子高生達に
“いんや~とけぇの人っちゃ、女の人が払うんだなゃ~”とからかわれてしまった。

帰りの電車は二人ともほとんど黙ったままだった。
僕は旅行が終わってしまう寂しさからだったけれど、彼女は違う理由だったことを後で知った。
結局、親にはバレてしまっていたらしい。
情けない僕は、彼女の気持ちをまったく察してあげられなかった。

そう九十九里浜へ行ったのは、“遠くのきれいな海”の他にもう一つ理由があった。
それを見せる為に、夜、近くの田んぼへ彼女を連れて行った。
そこには小さい頃の記憶と同じように、たくさんの蛍が光っていた…


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