バーガンディチェリー  ~Scene 23~

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僕はアメリカには行ったことがない。
でも僕の心に深く刻まれているアメリカの風景がある・・・

小学生の頃、父親の影響もあって、僕は“釣り”がとても好きだった。
その頃の同じクラスの友達のなかに、僕以上に釣りが好きな奴がいた。
その彼の父親の職業が警察官だったので、普段一般人では入れない“特別な釣り場”
へ、僕も時々連れて行ってもらっていた。
その中でもとくに思い出深いのが“米軍横須賀基地”での釣りだ。
どういう理由かは知らないが、当時は警察官なら入れてもらえたようだった。
もしかしたら子供を出しに使っていたのかもしれない。

入口のゲートを抜けると、突然そこはアメリカになる。
広い敷地の中に贅沢にゆとりをもって建っている施設や住宅。
もちろんすべてのものが英語表記なので映画で見るアメリカそのものだった。
よく行ったのは一番奥のほうにある、桟橋が浮いている小さな入り江がある場所。
当然ながら場荒れしてなく良く釣れるので、一日居てもまったく飽きなかった。
時には地元?の少年と仲良くなって一緒に釣りもした。
“Big Fish !!”と何度も叫びながらリールを巻く少年の姿が今も忘れられない。
すぐ隣の芝生に寝転んで、かなり大胆にイチャつくカップルに赤面しっぱなしだった。
空母ミッドウェーを間近で見た時には、興奮なのか恐怖なのか、ちょっと身体が震えた。
たまたま僕の着ていたジャケットの背中に、大きくAMERICAなんちゃらと書いて
あったので、それを見つけた軍人さんが嬉しそうに話しかけてくれたけれど、
もちろん僕は固まったままだった。
食事をしに行った基地内のフードコートでは、見慣れないセルフスタイルが
いかにもアメリカっぽくてカッコ良かった。
その中にあったBaskin-Robbinsでアイスを食べた。日本にまだサーティーワンが
ほとんどなかった頃で、その時食べたバーガンディチェリーが死ぬほど美味しかった。
そこにあるすべてのものが、とてもイカして見えた。

そんな事もあって、その頃の僕は“アメリカ”という国に対して少し憧れのような
思いがあったと思う。
洋楽にもハマって、湯川れい子さんのDJで毎週土曜日の夜中に放送されるラジオ番組、 “全米トップ40”を聴くのが楽しみでしかたなかった。
イーグルス、リンダロンシュタット、キッス、オリビアニュートンジョン、カーペンターズ、クイーン、ABBA…リアルタイムで夢中になって追いかけた。
たくさんのハリウッド映画にも心を躍らせた。

“アメリカ”にはいつまでも、そういう憧れの国であってほしいと思う。

今でも僕はサーティーワンでバーガンディチェリーが発売される季節になると、
ずーとそればかり食べている・・・


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